カメラマンもびっくり【文:川人千慧】


05 Dec
05Dec

18歳で上洛した川人にとって、徳島は長い間「年に2回くらい帰ってくるところ」でした。それも、長くて1週間くらい。仕事は向こうで済ませてきて、滞在中は家でゴロゴロするか、町内グルメを堪能するか、遠出したとして大型商業施設くらい。『ぞめきのくに』がきっかけで、徳島に長期滞在の拠点をかまえ、再び生活してみるまで、お恥ずかしながら、アップデートされていない情報がたくさんありました。


例えば、市が5つ以上になってること。

わたしが覚えている徳島県の市は、徳島市、小松島市、鳴門市、阿南市で、テストにも市は4つ!と書いていました。今、ニュースを見るたび、みまし…!?よしのがわし…!?


吉野川大橋の海側に、もう1つ橋ができていること。作っている時の記憶しかないので、とっくに通れることを知らずに過ごしていました。徳島に関する脚本を書く身として、不勉強とお叱りを受けそうです。


こちらは、わたしではなくカメラマンが驚いた話。


『ぞめきのくに』の撮影に先んじて、地村カメラマンと川人、7月に徳島入りをしました。本編の撮影に入る前に、こんな映像を撮りますというイメージ予告編を撮影・編集するためです。風景や音の素材を集めて、阿呆連さんの練習風景も撮影させていただいて、川人実家にて、数分の映像に編集。


その映像を、東京の友利監督に送付する時。

地「あかん!こらデータ壊れてるわ」


地村カメラマン、悲痛な叫び声。

映像データをアップローダーに送ったところ、グーンと一瞬で100%送信完了になってしまったので、何か不具合でデータサイズが小さくなっているのではないかと危惧した模様。しかし、調べても動画に不備はなく。


地「ひょっとしてここ、インターネットめっちゃ速くないですか?」


そうなんです。わたしが徳島を離れてからの変化だったので、すっかり失念していました。徳島県はインターネット爆速県になっていたのでした。そう説明している間にも、地村カメラマンは、インターネットの速度を調べるなんかのソフト(なんで持ってんだ、そんなの)で我が実家の回線を調べ、

地「下りは、うん、まあ速いですねって感じです。上りがやばいです。今まで見たことない、何かの間違いか!?って思うような数値です」

と、何事かと集まってきた川人の母と祖母に説明。

たしかに、地村カメラマンの謎のソフト、棒グラフみたいなバーが、誇らしげにびよーん!と、なにやら基準値みたいなのを突き抜けています。

しかし、スマホでメールするか、アマゾンプライム見るくらいしかネットを使っていない2人にはぴんと来ず、母がかろうじて「あー、なんか聞いたことある…?」と言うくらい。


地村カメラマン、魂の叫び。

地「もったいない!シメキリ1時間は延びるじゃないですか!!!」


ですよね。

川人が普段仕事でやり取りしているのは音声データですが、それでも、最後にフォルダを圧縮してネットにアップロードして送付、という作業にそれなりの時間がかかります。映像データはもっと重たいので、納品の時刻からアップロードの時間を大幅に差し引いて作業を終わらせます。じわじわ伸びていくアップローダーのバーをうらめしく見つめながらご飯を食べたり、ようやく80%くらいになった時に「あっ、そういえばあの場面にテロップ入れてなくない?」とか気づいて全身が総毛立つというのは、映像の人の日常かと思いますが、徳島県だったら、納品ギリギリまで編集して、パチンと送って、ゆっくりご飯が食べられる!「映像作家は徳島に住んだほうがいい…」ぽそっとつぶやきつつ、地村カメラマンは帰阪していきました。


その後、川人も徳島県でいくつか仕事をしましたが、いつデータを送っても相変わらず爆速。お直しやバージョン違いをたくさん頼まれても、むしろ楽しく承れるのでした(お直しに関しては、そんなことでいいのだろうか)。東京に戻った時の反動が怖い…!



脚本・音楽

川人千慧

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