ブログ担当副大臣、犬飼佑子。
岡山県在住の公務員、2児の母。
それまではきっと、映画製作とはご縁のなかった彼女が、『ぞめきのくに』にとって、なくてはならない存在になったその秘密を、本日は語ります。
出会いは時をさかのぼること、20年前…ええっ!もう20年になるの!?なんかへこむわ!
花の中学生だったわたくし、川人は、英語スピーチ大会に出場するため、隣町の通称『松中』におもむきました。そこでのスピーチの一幕…。
いますね。
後ろにいますね。
「あっ、変なヤツいる」って顔で見てますね。
これが一番最初の出会いでした。
隣町の藍中に、なんか馬の合いそうな子がいた。それがファーストコンタクトです。
やがて、わたしと犬飼は通称北高に進学し、はじめは隣同士のクラスになり、彼女は、その名を全校にとどろかせ始めました。高校生クイズに出場する我がクラスのメンバーのために、自作のおもしろクイズをルーズリーフにしたため、教室の後ろに貼り付けては去っていく…
なんじゃあいつ、めっちゃオモロいやんけ!
その後、1年間の留学を経て北高に帰ってきたわたしは、犬飼と同じクラスになり、一気に仲良く…
ならなかったんだな、これが。
ほなってオモロいもん、あいつ!
当時陸上で活躍していた彼女は、体のメンテナンスに血道を上げており、授業中、先生の見てない時にストレッチをするわ、ペットボトルにあずきの茹で汁つめてくるわ、お弁当パカって開けたら全部茹であずきだったこともあるし、まずどんだけあずきが好きなんじゃ!
お年頃なりにトガっていたわたし達、楽しくやりながらもお互いに「あいつよりわたしのほうが絶対オモロいけん!」と、チラチラ相手を意識し、たまに意見が合わないと、自習室でも部室でも(当時、みんなで美術室にたまっていた)激論を始める(当時みなさんにはご迷惑をおかけしたことと思います)。
お互いにこのことが判明したのは、ほんの2年前。やっぱり彼女が一枚上手で、「わたし、お前がオモロくてくやしかったんよ」と、先に言われてしまった。「でも、これからはスッキリ応援できる気がする」と。
『ぞめきのくに』が本格的に形になる前から、犬飼に「こんなのどう?」と相談を持ちかけました。いよいよ本格始動すると、犬飼は地元キャストオーディションにも、手伝いながら参加するという二刀流を発揮。さらに制作が始まると、広い田んぼを撮影できるところをお願いしてくれて、ご近所の美魔女から小道具の自転車をお借りしてくれて…彼女は、なくてはならないスタッフに、自然になってしまいました。
撮影前日。台風で、阿波踊り本番の撮影ができなくなったその日。監督に連絡したあと、犬飼にも電話をかけると…
川「…ォドディ…ァワォドディ…(泣いちゃって声になってない)」
犬「わたし、できること全部探しとくけん」
犬飼は、お盆以外にやっている阿波踊りを数分でピックアップし、情報を送ってくれました。
強いのよ。めっちゃ前向きなのよ。
その後の撮影で、自転車(美魔女にお借りしてないほう)の調子がどうも悪いと判明した瞬間、
犬「並んで押して歩くのはどう?ってわたし監督かっ!」
やっぱオモロいのよ!
なに、岡山版はわたしと娘で撮りましょう、って!おばちゃん3連星と同じくらい1人で一気に喋っちゃう犬飼と、モニタリングに出ても大丈夫なようにオーバーリアクションの練習してる娘さんだと、オモロすぎて別の話になっちゃうでしょうが!
でも、たぶんお互いに、まだちょっとくやしいんです。その証拠に、台風吹きすさぶ吉野川大橋を、犬飼の車で現場に向かっている時、同時に、
犬&川「「お前とだけは一緒に死にたくないっ!」」
って叫びましたから。あー、なにもなくてよかった。
ちなみに。
撮影準備中、わたしから監督に「明日は犬飼カーに拾ってもらって現場に向かいます」とメールしたのを、助監督清本さんが読み間違え「犬飼リキイチって誰だよ!」と突っ込んだせいで、
犬飼は男子チームの間でひそかに「リキイチ」と呼ばれていることを、彼女はまだ知らない。
脚本・音楽
川人千慧