12 Mar
12Mar

「映画の撮影に自転車がいるんだけど、ある?一台は白があるから、できたら白以外で。」と連絡があったのだが、その時徳島の実家には自転車が一台もなかった。


我が家には一時期5台以上の自転車があった。私が中学生~高校生の頃である。子ども3人の通学用、そして畑仕事やらなんやらの大人用で、ずらーっと並べていたのを覚えている。


「母さーん!川人さんがな、映画の撮影で自転車使うんやって!ようけあったけどどこにあるん?」と聞くと、


「ようけあったけど、おじいちゃんが勝手に乗ってどっか行くけん、もう全部もっていってもらったんよ。」と。


数年前に亡くなった祖父が足腰フラフラなのに自転車に乗ろう乗ろうとするのですべて処分してしまっていたのだ。あら大変。どうしましょ。


しかし、我が家の実家は地域密着型のガソリンスタンド、強力な「ご近所さん」という人脈を使えばほら、小一時間後には自転車一台確保できましたよ。徳島の田舎では結婚式に「ご近所さん席」あるくらいですからね。


色は黒色、北島愛子さんがあのシーンで激チャしたあの自転車は我が家のご近所さんご提供なのです。


映画製作に関わるまでは映画見るときに話の筋しか頭になかったけど、こうやって関わったことで「あのカバンは私物かな?」「よく見たら車が全部○○社!提供企業なんじゃ!」など、細かな所まで気になるようになりました。


しかし、もうちょっと早く分かっていたら岡山で私が通勤で使っている自転車を提供したのに…と思ったのですが、よく考えたら荷台に子ども載せるチャイルドシート付の自転車は女子高生乗りませんな。


制作(現地ボランティアスタッフ)

犬飼佑子

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