川人、引き続き、近所の山に出没しています。
(3月半ばからの帰省を延長し、徳島県内にいますが、おうちと野外を中心に活動しています。)
18歳で関西に出て以来、スーパーで見かけたり、人からいただいたりするたびにじわじわと疑問に思っていたこと。それは、
うちの実家の「かしわもち」は、本当に正しいのか。
スーパーや、いただきもののかしわもちのぐるりにへばりついている「かしわ」の葉っぱ。野球のグローブのように、丸っこい指みたいな部分があり、裏はケバ立ってもそもそしている。スジもしっかりしていて「自分、立派な木から来ました!」という感じがする。
それに対して、「かしわひらいにいこー!」と言っていた、遠き日の川人家のメモリーを思い起こしてみると。
・つる植物のような低木から採っていた
・葉っぱが小さくてまんまる
・葉っぱが薄く、赤みがかっている
そう、ずっと疑問に思っていたこと。
うちんくは、そのへんのなんでもない葉っぱをかしわもちに使っていたのではないか?
さて。頻繁に山に行くようになり、時節も時節ですので、川人(母娘)、かしわもちでもしましょう、ということになりました。そこで、今こそ積年の疑問をぶつけてみました、ウィキペディアに。
柏餅(かしわもち)は、平たく丸めた上新粉の餅を二つに折り、間に餡をはさんでカシワ又はサルトリイバラの葉などで包んだ和菓子である。(Wikipediaより抜粋)
解決しました。
うちんくのかしわもちは「サルトリイバラ」(山帰来ともいう)の葉を使っていたのでした。これだと厳密には「かしわ」もちではないので、「さんきらもち」と呼ぶこともあるそうですね。
いつもの山で「ひらって」きます。
念のため。一連の活動は地主の了承を得ています。
懐かしき友、サルトリイバラよ、お前のことを「なんでもないそのへんの葉っぱ」とか疑ってごめんよ。
だんご粉に湯を入れてこね(母が2度蒸しとかめんどくさい、とかたくなに主張したため)、耳たぶ程度のかたさにまとめる。
耳たぶ程度。
耳たぶ程度ってなに!?
そうでした。わたし、かしわもち界隈でいうと、かしわの葉っぱよりずっと長いこと疑問に思っていたのが、「耳たぶ程度ってなに?」
耳たぶって、いうて肉じゃないですか。豚肉とか鳥肉とかと「練った粉」のかたさが同質のものになることはないじゃないですか。
それに個人差。
焼きたてパンみたいな人もいれば、「わー、ピアス開けやすそー!」ってな、薄くてかたーい人もいるじゃないですか。
母数を多くして、平均を取ればいいのか?
川人(娘)「お母さん、耳たぶ触らせて」
川人(母)「やめて」
川人(娘)「・・・おばあちゃーん!」
祖母、なぜか「わたし福耳なんよ。やわらかいだろ」と自慢げに耳たぶを触らせてくれる。わからない。人のを触ってもわからない。
蒸します。耳たぶ程度ってなんだろう・・・。
食べます。耳たぶ程度ってなんだろう・・・。
ダメです。耳たぶ程度が気になって気になって、あと、だんご粉に砂糖と、隠し味の塩入れるの忘れてたし、ちょっと粉っぽいのはやっぱり2度蒸しが必須なのか、それともわたしの「耳たぶ程度」が間違っているのか。このかしわもちはおいしいのかおいしくないのか。
うちんくの「かしわもち」は、本当に正しいのか!
とりあえず、解決したのはサルトリイバラのことだけで、かしわもちは依然、その中にひっそりと、たくさんの謎を内包させているのです。そうまるで、こしあんのように。
近いうち、リベンジします。だんご粉、使い切りたいから。
シリーズプロデューサー・作曲 川人千慧